概要 | |
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保有国 | インド |
記載年 | 2004年 |
該当登録基準 | (3)(4)(5)(6)−文化遺産 |
構成資産 |
チャンパネール・フォート要塞遺跡、モスク群 パーヴァガドゥ山山頂カーリーカマタ寺院への参詣道 およびヒンドゥー教寺院、ジャイナ教寺院など |
チャンパネール−パーヴァガドゥ遺跡公園は、
インド西部のグジャラート州チャンパネール村にある、
極めて多くの考古遺跡が密集するエリアである。
そこには先史時代の考古遺跡から初期ヒンドゥー文化の要塞遺跡、
15世紀にイスラム教徒のムハマッド・ベガタにより築かれた都市遺跡など
極めて幅の広い年代の遺跡が残されている。
遺跡公園の大部分は未発掘のままであるものの、そのポテンシャルは極めて大きい。
チャンパネール−パーヴァガドゥ遺跡公園は、主に二つのエリアに分けることができる。
一つは城壁に囲まれたチャンパネール村のエリア。
もう一つはチャンパネール村より南西へ4kmの地点にある
パーヴァガドゥ山のエリアである。 チャンパネールは8世紀に築かれた、チャウハーン朝ラージプート王国の首都である。 8世紀から14世紀に渡り、チャンパネールには 要塞、宮殿、宗教施設、居住区、水道設備などが築かれた。 1484年にはイスラーム教徒のムハマッド・ベガタが チャンパネールを都とし城壁を作り上げチャンパネール・フォートとしたものの、 1553年にムガル帝国に攻め込まれ、グジャラートの首都としての歴史を閉じた。 現在残るチャンパネールの遺跡は、ムガル帝国がインドを支配する以前の、 完全に残る唯一の都市遺跡となっている。 地形を巧みに利用したチャンパネールの都市遺跡は、 放置されていたことや、現在の人々の生活、森林の伐採などにより、傷ついた状態にある。 しかし、そのような中でも16世紀に作られたモスク群の保存状態は良く、 その内部には、精巧なレリーフの装飾が数多く施されているのを見ることができる。 ジャミー・モスクを主としたこれらのモスクは ヒンドゥーとイスラームが融合した特別な様式である。 パーヴァガドゥ山はラーマーヤナ伝説が残る聖山である。 その山頂にあるカーリーカマタ寺院は、 ヒンドゥー教徒における重要な聖地であり巡礼地である。 カーリーカマタ寺院へは参詣道が伸びており、 今もなお大勢のヒンドゥー教徒たちが列を成して参拝している。 なお、巡礼路の途中には、ジャイナ教寺院やモスク遺跡など、 数多くの歴史的建造物が点在しており、 真っ白い服を着たジャイナ教となどを見ることもできる。 |
旅行情報 | |
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所在地 | グジャラート州 チャンパネール |
アクセス | バローダよりバスで1時間強 |
必要見学時間 | 1日〜2日 |
チャンパネール村へは、バローダの長距離バススタンドから
チャンパネールへの直行バスに乗るか、まずalolという町行きのバスに乗り、
そこからチャンパネール行きのバスに乗る。
バローダからは1時間ほどでチャンパネールのバススタンドに到着するが、
地元の人にとってチャンパネールとはパーヴァガドゥ山を指すらしく、
車掌に「チャンパネール」と伝えていた場合、
パーヴァガドゥ山への連絡バスに乗れと言われるかもしれない。
言われるがままに乗るとパーヴァガドゥ山まで行ってしまうので注意。 チャンパネール−パーヴァガドゥ遺跡公園の最大の見所は 精巧な彫刻が残るモスク群である。 チャンパネール村近くにあるジャミーモスク、シャヘールキーモスク、 ケウラーモスク、ナギーナモスクは徒歩でも2時間程度で回ることができる。 他にもチャンパネールには数多くの遺跡が残っているが、 それらをすべて網羅するとなると結構な時間がかかる。 村を歩いていると、バイクをチャーターしないかと盛んに声をかけられるので、 もし郊外の遺跡見たいのであれば頼むといいだろう。 なお、これらモスクを訪れる観光客はインド人、外国人ともに少なく、 静かに遺跡探索を楽しむことができる。 チャンパネールを訪れるのであれば、 パーヴァガドゥ山のカーリーカマタ寺院への参拝も忘れてはならない。 パーヴァガドゥ山へはチャンパネールのバススタンドから出る、 バスまたは乗合ジープで行くことになる。 参詣道は意外に険しく、歩いて山頂まで行くには 休憩抜きであっても片道2時間程度かかる。 パーヴァガドゥ山は、チャンパネールのモスクとは対照的に、 数多くのヒンドゥー教徒参拝客で賑わっており活気がある。 参詣道の両脇には土産物屋や売店などが立ち並び、 アイスクリームなどの物売りが道行く参拝客に声をかけている。 まるで観光地のようでもあるが、それでもなお、 パーヴァガドゥ山はヒンドゥー教徒にとって神聖な聖地なのである。 山頂のカーリーカマタ寺院には熱心な信者が祈りを捧げる姿を見ることができる。 チャンパネール−パーヴァガドゥ遺跡公園をじっくり見るには、 遺跡の規模からするとできればチャンパネールに宿泊したい。 しかし、残念ながら現在はまだ宿泊施設は整っておらず、 バローダからの日帰り観光が主となり、どうしても早足で回るざるを得ない。 おそらく今後遺跡調査や発掘が進むにつれ遺跡公園としての整備も進み、 それから本格的な観光客の受け入れが進むと思われる。 (2006年2月 訪問)
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