遍路41日目:松山市内ビジネスホテル




 朝目を覚まし、ベッドで寝ていることに軽く驚く。あぁそうだ、野宿ではなくビジネスホテルに入っているであった。時計を見るとまだ5時。いささか早い時間なので二度寝を試みたのだが、6時には再び目を覚ましてしまった。宿を取っている時くらい朝はゆっくりしたいと思うのだが、40日以上の遍路によって染み付いてしまった生活リズムがそれを許してくれないのである。恐るべし体内時計。

 重い瞼を擦りつつ、とりあえずザックからノートPCを取り出してコンセントに接続する。実はこのホテルには三泊滞在する予定である。6月分の原稿の締め切りが近くなっており、松山に到達したこのタイミングで入稿しておく必要がある為だ。というワケで、今日と明日は部屋に籠ってひたすら原稿作成である。


朝食が出るとのことだったので、まずはカフェテリアへ向かった

 このホテルの朝食は和食と洋食が選べるのだが、ご飯がお代わり自由とのことなので和食を頂くことにした。シンプルなメニューながら、納豆に生卵にフリカケとご飯のお供が充実しているのでご飯が進む進む。結局白米ばかりをモリモリと食べてしまい、すっかり腹がはちきれんばかりである。

 いくら食べ放題とはいえ限度があると自分に言い聞かせたくなるが、食べられる時に食い溜めておくのが貧乏遍路の悲しいサガだ。なんていうか、野生動物みたいな習性である。近付くと噛み付くぜ。


部屋にハンガーが少なく、洗濯物を干すのに苦労した

 梅雨の真っただ中ということもあり、最近は洗濯をしても一夜干したくらいでは乾いてくれない。故に靴下などは常に湿っている状態だ。昨夜のうちに洗った洗濯物もやはり生乾きのままである。まったく、梅雨というやつは実に鬱陶しいものである。明後日くらいに明けてはくれないものだろうか。


昼食は昨夜買った巻き寿司と、一昨日のお接待で頂いたミカンだ

 巻き寿司はどこにでもあるようなものであったが、食後のデザートに食べたこのミカンがもの凄く甘くて美味だった。普通のミカンより小ぶりではあるものの、その分、糖分が凝縮されている感じである。なんという品種かは分からないが、こんなミカンがあるものなのかというくらいに驚いた。

 午後も引き続き記事を書いていたものの、夕方ぐらいから体調が優れなくなりベッドで横になっていた。貧血気味なのだろうか、椅子に座ってタイピングしていると、頭から血の気が引いたような感じでくらくらしたのである。


結局、原稿の進捗が芳しくないまま夜になった

 うーん、これまでの疲れが出たのだろうか、あるいは毎日スーパーやコンビニの弁当ばかりなので栄養が偏ってしまっているのだろうか。こんな状態なので今日はもう外に出る気がしないが、明日は食料の確保ついでに薬局あたりでビタミン系のサプリメントでも買ってみることにしよう。今日はもうお休みだ。