遍路42日目:松山市内ビジネスホテル




 今日もまた朝の5時に目を覚ました。相変わらず憎らしいくらいに正確な体内時計である。だが昨日とは違い、体の芯に残る疲れと眠気はもうない。体調も回復してくれたようで、目覚めの気分はバッチリだ。引き続き、記事の作成と体調の回復に努めていこう。


今日はホテルの朝食がないようなので、部屋でパンを食べる

 どうやらこのビジネスホテルは客が多い日のみ朝食をサービスしているようで、今日はカフェテリアの営業がないとのことであった。温かいご飯が食べられないのは残念であるが、ないものを求めても仕方がない。昨日のうちに買っておいたパンと牛乳で朝食を済ませる。

 早速執筆に取り掛かるが、どうにもイマイチ集中できない。原稿の入稿や情報収集の為にWi-Fiでネットに繋いでいるのだが、ついつい余計なサイトを見に行ってしまうのだ。そういえば高知市のビジネスホテルで先月分の原稿を書いている時もそうであった。人というものは得てして学習しないものである。

 気合を入れ直し、ブラウザを閉じてテキストエディタと向き合う。原稿の方向性は先月の記事で確定しているので、一度書き始めてしまえば後は一気呵成だ。室戸岬への長く厳しい道のりから始まり、旧友との再会、遍路道沿いに残る古い町並み、道中で出会った動物などといった小話を織り交ぜながら、各札所への道のりを読者が追体験できるように書き連ねていく。

 こうして思い返してみると、高知県の遍路も既にかなり前の出来事のように思えてくるから不思議なものだ。……ん、そういえば先月の原稿を書いている時も全く同じことを言っていたような気がする。相変わらず濃厚な日々を後れているようで何よりだ。


夕食を貪りつつ原稿作成を続ける

 執筆のペースは悪くないものの、いかんせん、書きたい内容が多すぎて思っていた以上に記事が膨らんでしまった。写真も100枚以上に及んでおり、キャプションを付けるだけでも一苦労である。それだけ高知県の遍路道には思い入れが強く、また絵になる風景が多すぎたのだ。

 結局、今日中に原稿を書き終えることはできなかった。後もう少しではあるのだが、まだテキストが不完全なのだ。果たして明日のチェックアウト時間までに仕上げることはできるだろうか。我ながら他人事のようにドキドキである。