亀山市関宿

―亀山市関宿―
かめやましせきじゅく

三重県亀山市
重要伝統的建造物群保存地区 1982年選定 約25.0ヘクタール


 関宿は東海道五十三次の47番目の宿場町である。西には鈴鹿峠をひかえ、東には伊勢への伊勢別街道が分岐する交通の要所の関宿は、江戸時代大いに栄え賑わった。現在も関宿では江戸時代から明治にかけての建造物が旧東海道沿いに立ち並んでいる。その規模は東の追分から西の追分までの約1.8km。旧東海道の宿場町の中でかつての宿場町の様相を最も良好に残す町である。




東の追分から中町まで、木崎の町並み

 関宿は中町を中心とし、東の追分まで木崎(こざき)地区が、西の追分までを新所(しんじょ)地区がそれぞれ広がって連続した町並みを作っている。中町には本陣をはじめとする旅籠や商家などの立派な建物が多く、その中心には地蔵院が建っている。この地蔵院には、とんちで有名な一休禅師が立小便によって開眼供養をしたという関の地蔵が祀られている。




最も華やかな中町。右手の塗込の建物はかつて旅籠であった玉屋

 関宿の町屋は切妻平入二階建てのものが一般的である。中町では特に立ちの高いものが多く、二階を塗籠にして虫籠窓を開けているものがあったり、手摺を付けているものがあったりと、より開放的で華やな町並みとなっている。また中町の商家には、庇の下に雨風から店を守る幕板や、ばったりと呼ばれる商品陳列のための揚げ棚を見ることができる。




新所は木崎同様仕舞屋が多い地区だが、若干趣が違う

 華やかな中町に対し、両脇を固める木崎や新所は仕舞屋(住宅)が多く集まっており、より落ち着いた雰囲気の町並みとなっている。これらの地区の町家は平屋もしくは中二階のものが多く、二階も木材の見える真壁が一般的だ。このように関宿では、多彩な様式の伝統的家屋が連なり、変化のある宿場の町並み景観を作っている。




新所の家屋に見られる鶴の漆喰細工

 関宿の町家は細部にまで意匠を凝らしたものが多い。中でも面白いのが漆喰細工である。この漆喰細工は子孫繁栄や家運長久などを願い、鶴や亀、鯉の滝登りなど縁起の良いものをモチーフとして作られた。また、鬼瓦や軒瓦にその家独自のデザインを盛り込んだ瓦細工も見られる。桶屋の軒瓦は「器」という模様であったりと、こちらもまた面白い。




関宿に四棟ある山車倉のうちの一つ

 関宿は祭りの際に山車が出る。かつては16基もの山車があったというが現在は4基。付近には山車を格納する山車倉がそびえ立つ。関の山車は極めて豪華でそれ以上の贅沢はできないことから、また山車が狭い関宿の路地をこれ以上無いくらいギリギリで通ることから、成しうる限界、精一杯という意味の「関の山」という言葉が生まれた。

2008年01月訪問




【アクセス】

JR関西本線「関駅」より徒歩約5分。

【拝観情報】

町並み散策自由(ただし、住民の迷惑にならないように)。

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